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プロローグ |
さなぎから身を出した鮮やかな青色の翅をもつ蝶。
「あの町に帰ろう」「その前にやらないといけないことがある。鋭いようで鈍いあの人に気づかせたい・・・」 |
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第1章 |
チョコレートの種
−toxin− |
綿来千晶は、流通系企業の派遣社員。夫と別れて息子・樹と二人暮らし。雨宿りをした「かわたれ霊園管理事務所」で日置凪と出会う。昔、父親が姉を叩いたこと、その時亡き母は父から守ってくれたのかが引っかかっている。母が嫌いだったチョコレート・・・千晶はそんな母の愛に翻弄されて前に進めないでいた・・・ |
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第2章 |
ルビーの種
−observation− |
国見頼は、映画配給会社の若手社員。美術展で凪を見かけ、猫を捜しに行った「かわたれ霊園」で凪と再会する。頼は、採用面接で出会った先輩社員で既婚者である香椎佐和のことが気になっていた。しかし、佐和の夫がすでに亡くなっていることを知った頼は、佐和の悲しみを知りながら、その思いを捨てきれなかった。佐和も亡き夫に対する後悔で前に踏み出せないでいた・・・ |
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第3章 |
汐の種
−spiral− |
男鹿三多介は、家電メーカーを退職。自分の価値観を押し付けるため、妻と娘と息子からは距離を置かれていた。そんな時、幼馴染の森川雅勝が亡くなり、その遺骨を引き取ることになった。「かわたれ霊園」で凪に出会い、遺骨の供養の相談から親しくなる。三多介は雅勝に対して、2歳年上の神原雪枝に対する嫉妬のために約束を守らなかった後ろめたさを持っていた・・・ |
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第4章 |
いろみずの種
−colorful− |
小野木ひまりは、絵を描くのが好きな小学生。ひまりは「かわたれ霊園」で、亡くなった担任・御影麻希の姿を見ていた。そこで凪と出会う。麻希が亡くなったことに自分にも原因があるのではないかと、ひまりは麻希に問いかけるが麻希は何も言わない。人の言うことを受け入れて流される自分が麻希の死にも関係があるかもと後悔のあるひまりは、好きな絵を描くことも嫌いになりかけていた・・・ |
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第5章 |
雨粒の種
−alien− |
日置凪は、「かわたれ霊園管理事務所」で一緒に働く久瀬莞爾と同居している。凪は、莞爾の弟・草平と、毎朝テレビで天気予報を伝える楢二葉とは幼馴染だった。もう一人幼馴染で仲の良かった藍原さんは、男の子を助けるために川で亡くなっていた。その時から凪はふたりから距離を置くようになっていた。凪は藍原さんから「うるうの朝顔」の種の話を聞いていてそれを持っていた。しかし、凪はズレを取り戻すことができず、残りの種を人に与えてその効力を確認しようとしたが・・・ |
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エピローグ |
凪と二葉にズレを感じてもらうために、私のズレを正すために「うるう」に来てもらった。もう大丈夫。私はそっと、醜い翅を閉じた。 |