2025年10月18日(土)鑑賞 Prime Video
2025年4月4日(金)公開 / 上映時間:109分 / 製作:2025年(日本) / 配給:松竹
【監督】 横尾初喜
【キャスト】
 風間心也:長尾謙杜 / 新井夕花:當真あみ / 石村:水沢林太郎 / 萌香:芋生悠 /
 新井夕花の義父:池田良 / 30年後の新井幸太:田村健太郎 / ゆうこ:篠原ゆき子 /
 電車の中で出会う女性:安藤玉恵 / 新井幸太:矢崎滉 / 風間南:美村里江 /
 30年後の新井夕花:尾野真千子 / 風間耕平:安田顕 /
 30年後の風間心也:ディーン・フジオカ
【あらすじ】
幼い頃に母を亡くした心也(長尾謙杜)と、家に居場所がない同級生の夕花(當真あみ)。学級新聞の編集委員を任された2人は、最初はぎくしゃくするも次第に打ち解け、2人だけで「ひま部」を結成する。それぞれ孤独を抱える心也と夕花は距離を縮めていくが、ある事件をきっかけに夕花は姿を消し、心也は行き場のない思いを抱えたまま、交わした約束を胸に彼女を待つ。突然の別れから30年が経ったある日、夕花の秘密が明かされる・・・
【感想】
PrimeVideoで配信されていたので、観てみました。この映画はフライヤーも目にしていましたし予告も観ていたはずなのですが、「おいしくて泣く時」というタイトルとあまり好きではないディーン・フジオカの印象で目を向けなかったために、映画館で観ることはしなかった映画です。

PrimeVideoで観てみると、映画館で観ておけばよかったと後悔してしまう良い映画でした。萌香(芋生悠)が心也の店を訪れて、事故で壊れた店舗をある条件をもとに無料で修復したいと申し出るシーンから、行方不明の夕花と関連があることが予想されて、そこからなぜか最後まで涙が流れ続ける状態でした。ある部分が感動的というのではなく、この物語全体が心を打つ要素が溢れていたように感じました。義父の暴力に怯えながらも懸命に弟を守りながら生きる夕花、そんな夕花を知って自分の気持ちを伝えて約束の重さを知りながら約束をする心也、そんな心也を巻き沿いにしないために警察に保護を求めた夕花の心情、出来ない約束をしてしまった心也の母・南(美村里江)の心を綴ったノート、ラストシーンのバター醤油焼うどんを食べて夕花が涙するシーン、その他にも随所に心打つ要素が溢れています。

この物語の背景には、「こども食堂」に対する偏見とそこが無いと生きていけない人の存在、些細なことでいじめにつながる学校での人間関係、血のつながりのない娘への虐待、そんな社会の暗部があるのですが、心也と夕花の人の気持ちを思う行動や関係が滅入るような暗さを軽減しています。むしろ、心也の両親(安田顕、美村里江)、心也のそばで支えているゆうこ(篠原ゆき子)、子ども食堂を利用している不良っぽい石村(水沢林太郎)、無償で店舗を修理することを提案する萌香、そういう人たちの存在で、心温まる優しい物語になっています。

キャストは、長尾謙杜と當真あみが素晴らしかったです。このふたりならではの雰囲気が、苦しさや強さや優しさを絶妙のバランスで表現されていたと思いました。できれば、30年後の心也と夕花も、老けメイクによる同じキャストで良かったのではと個人的には思いました。また、心也のそばで支えていると思われるゆうこという存在は最後まで明確に明かされませんが、そこもきちんと示してもらったほうが、30年待ち続けた心也の気持ちがより深く感じられるような気がしました。

久しぶりに涙を流し続けて観た感動的な映画でした。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。