2025年10月4日(土)鑑賞 Prime Video
2007年3月3日(土)公開 / 上映時間:60分 / 製作:2007年(日本) / 配給:コミックス・ウェーブ
【監督】 新海誠
【キャスト】
遠野貴樹:水橋研二 / 篠原明里(桜花抄):近藤好美 /
篠原明里(秒速5センチメートル):尾上綾華 / 澄田花苗:花村怜美
澄田花苗の姉:水野理沙 / 水野理沙:水野理沙
【あらすじ】
「桜花抄」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」という短編3話の連作構成。
<桜花抄(おうかしょう)>
東京の小学校に通う遠野貴樹と篠原明里は精神的に似通っており、クラスメイトたちのからかいを受けながらも一緒に時間を過ごすことが多かった。だが、明里の父親の仕事の都合で小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校し、それきり会うことがなくなってしまう。中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木にいる明里から手紙が届き、それをきっかけに2人は文通を重ねるようになる。中学1年の終わりが近づいたころに、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まる。もう明里に二度と会えなくなるかもしれないと思った貴樹は、大雪の日、栃木まで明里に会いに行く・・・
<コスモナウト>
1999年、種子島の高校3年生・澄田花苗は、中学2年の春に東京から転校してきたクラスメイトの貴樹に恋をしていたが、その想いを伝えられずにいた。しかも、卒業を間近に控えながら自身の進路も決められず、趣味のサーフィンでも波の上に立つことができないというスランプに陥っていた・・・
<秒速5センチメートル>
東京で社会人となった貴樹は高みを目指し、ただひたすら仕事に追われる日々を過ごしていたが、それが何の衝動に駆られてなのかはわからなかった。3年間付き合っていた水野理紗からは「1000回メールしても、心は1センチくらいしか近づけなかった」と言われ、自身の心が彼女に向いていないことを見透かされてしまう。貴樹も自分自身の葛藤から、若き迷いへと落ちてゆき会社を辞める。貴樹の心はあの中学生の雪の夜以来ずっと、自身にとって唯一の女性を追いかけ続けていたのだった・・・
【感想】
10月10日に実写版の「秒速5センチメートル」が公開されますので、その前に18年前に公開された新海誠のアニメ版を観ておきたいと思って観ることにしました。
特に何か起きるという物語では無く、若い男女の恋心で揺れ動く心を静かに描いているという物語でした。ハッピーエンドでもなくバッドエンドでもなく、若い頃の気持ちは一途で切なくてつらいものであり、長い時間をかけてそれを収束し断ち切っていきながら、新しい出会いを大切にしていかないといけないと思わせてくれる静かな結末でした。
遠野貴樹は篠原明里を守りたいと思うのであれば、遠くに離れてもなぜ文通の形でもメールの形でも関係が続かなかったのかなという疑問はわきますが、若い頃は距離が離れてしまえば自然と疎遠になっていくものかもしれませんし、そちらの方が自然なのかもしれません。それでも、心は踏ん切りがつかずに新しい道を開かせることなく長く引きずっていくのは男のほう、そんな情けなさも感じます。
恋心を確認し合った桜の木、相手は自分ではなく遠くを見ていることを悟る空に打ち上げられたロケット、唯一の女性を忘れる決心に至る長くゆっくりと静かな時間を落ちる桜の花びら、そういう象徴を物語の中に見事に浮かびあがらせているのがとても素敵な感じがしました。
2007年3月このアニメが公開後、2007年9月に小説「小説・秒速5センチメートル」(新海誠)、2010年にコミック「秒速5センチメートル」(清家雪子)、2011年に小説「秒速5センチメートル
one more side」(加納新太)が発表されています。そして2025年10月に実写版「秒速5センチメートル」が公開されます。それぞれ微妙に登場人物の行動や描き方の詳細に違いがあるようです。実写版「秒速5センチメートル」のチラシでは、桜に木の下で再開する約束をすると書かれていますので、その約束に向けた心の描写がどう描かれるのか、そして結末はどう描かれるのか、ちょっと楽しみです。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。
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