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1 最果ての街に雨 |
ひとりで大分の海辺の町に引っ越してきた三島貴瑚。そこはかつて祖母が住んでいた場所で、そのせいで貴瑚は町の噂の的となっていた。そんな中で家の修繕を請け負っていた村中には心を開き始める。夏の長雨のある日、貴瑚は虐待の痕があり言葉を発することのできない少年と出会う。 |
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2 夜空に溶ける声 |
少年は母親の琴美から暴力を受け、祖父の品城はそれに目を背けていた。少年は毎日貴瑚の家を訪れるようになっていた。貴瑚は少年に52ヘルツのクジラの声を聞かせ、その意味を話す。貴瑚は名前を言わぬ少年を52と呼ぶことにし、この少年を助けたいと思う。 |
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3 ドアの向こうの世界 |
5年前、貴瑚は義父の介護に明け暮れていた。義父が誤嚥性肺炎で入院した時、貴瑚は母からひどい言葉を浴びせられて絶望し死を考えていた。その時、偶然親友だった美晴と美晴の同僚・アンさんと出会う。美晴とアンさんは貴瑚から話を聞きだし、母親との決別を実現させる。 |
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4 再会と懺悔 |
貴瑚は少年の母親琴美と会い、自分が少年の世話をすることを伝える。少年からどうして52ヘルツのクジラを知ったのかと問われ、貴瑚は実家を出た後にルームメイトだった美音子のことを話す。少年から父方の叔母の話を聞き会いにいくことを考えていたと時に、思いがけない来客があった。美晴だった。貴瑚は美晴と少年と3人で、少年の叔母のいる小倉に向かい、そこで藤江という女性から少年の話を聞き、そこで少年の本当の名前は愛(いとし)だと知る。ホテルに戻った貴瑚と美晴は、アンさんが亡くなった話から昔のことを話し出す。 |
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5 償えない過ち |
貴瑚は実家を出た後、働いていた工場で新名主税と出会う。主税は工場の社長の息子で、ある事件をきっかけに親しくなり貴瑚は結婚も考える仲となるが、その時からアンさんの態度が変化し、貴瑚と美晴の前からいなくなる。そんな時、主税は別の女性と婚約しているという噂が広がり、貴瑚の耳に入る。また、主税の父親の元には、主税が貴瑚と付き合っていると書かれた手紙が届く。 |
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6 届かぬ声の行方 |
アンさんは、父親だけではなく会社と婚約者に同様の手紙を送った。それに激怒した主税はアンさんのことを調べ、アンさんがトランスジェンダーでアンさんは女性であり男として貴瑚を幸せにできない嫉妬からだと決めつけて、アンさんとアンさんの母親を責めた。そしてアンさんは自ら命を絶った。貴瑚はアンさんの行動が自分を守るためだったと知り、トランスジェンダーがために自分の気持ちを発することができなかったアンさんの苦悩を感じ取れなかったのは、自分が一生背負う罪だと思っていた。 |
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7 最果てでの出会い |
小倉から大分に戻った三人は、品城が「貴瑚が孫を誘拐した」と言っていることを村中から聞く。少年と一緒に暮らしたいと願う貴瑚は、村中の祖母が琴美の母親のことを知っているらしいと聞いて、村中の祖母さちゑに話を聞きに行く。 |
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8 52ヘルツのクジラたち |
3人は、さちゑの紹介によって少年の祖母昌子と会う。そこで昌子のいまの夫秀治が、少年が15歳になって自分で後見人を選べるまでは昌子が後見人となり、2年後までに貴瑚が後見人となれる基盤を作ることを提案する。 |