| 2006年8月30日(水)読了 |
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作品情報
| タイトル |
雨月 |
| 著者 |
藤沢周 |
| シリーズ |
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| 初刊出版社 |
光文社 |
| レーベル |
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| 初刊発行日 |
2002年10月25日 |
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書籍情報
| 出版社 |
光文社 |
| レーベル |
光文社文庫 ふ-15-1 |
| 判型/ページ数 |
文庫判/296ページ |
| 初版発行日 |
2005年02月20日 |
| 版数 |
初版 第2刷 |
| 発行日 |
2005年3月10日 |
| 定価(本体) |
514円 |
| 購入日 |
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最後まで興味を継続できて、しかも読みやすい文章は、この作者の作品をまた読んでみようという気持ちにさせられます。
物語は、東京鶯谷のひなびたラブホテル・雨月で起きる不思議な出来事の謎を、そこの清掃係の崎が成り行きとして解き明かしていくというものです。
崎は、そのラブホテルの社長の愛人と関係を持っていて、その愛人とボイラー室で情事を繰り返しているという人間ですが、崎の方が入れ込んでいるということではなくて、愛人が社長との気持ちがさめたことにより崎を求めていて、それをさめた気持ちで受け入れているという関係です。
そのさめているというか投げやり的な態度の背景には、ゴルフ場をリストラされて系列のラブホテルへ回されてきたということがあります。
そういう日々の中、崎の友人がネットで知り合った19歳の女性が登場します。ラブホテルに長期間滞在することになったその女性の霊的な行動から、ある部屋の秘密、雨月の過去、従業員の恨みなどが次々に明らかになっていきます。
最初の何気ない描写が、最後の結末にちゃんと結びついているという気持ちよさはありますが、結末自体はあまり楽しいものではありません。結局、その19歳の女性は何者だったのか、そういうところも読者の受け取り方にまかせてあります。それはそれでいいのですが、ホラーとしてまとめたかったのか、サスペンスとしてまとめたかったのか、そのあたりがモヤモヤしていて、自分なりにどういう結論に落ち着かせればいいのかちょっと戸惑いました。
せっかくの「19歳の女性の思い」がもの悲しいだけに終わっているのは、私としてはとても残念に思うのです。
鶯谷、ラブホテルというのは、この物語の舞台としては最適のような気がします。そういうホテルの内情を垣間見ることができるというのも、とても興味深いものでありました。
また、ラブホテルが舞台であるということから、崎と愛人との情事の他にも、官能的な場面が多々出てきますが、こういう作品の中ではかなり踏み込んだ描写もあって、そういう部分でも楽しめると思います。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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