| 2025年11月5日(水)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン7 G-9) |
 |
2025年10月31日(金)公開 / 上映時間:123分 / 製作:2025年(日本) / 配給:ソニー・ピクチャーズ
エンタテインメント=松竹
【監督】 熊澤尚人
【キャスト】
上条圭介:坂口健太郎 / 東明重慶:渡辺謙 / 宮田奈津子:土屋太鳳 /
上条圭介(10歳):小野桜介 / 唐沢光一郎:小日向文世 / 唐沢美子:木村多江
/
上条庸一:音尾琢真 / 上条春子:ジエン・マンシュー / 角舘銀次郎:渡辺いっけい
/
兼埼元治:柄本明 / 壬生芳樹:尾上右近 / 佐野直也:高杉真宙 /
石破剛志:佐々木蔵之介 |
【あらすじ】
山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。さらに捜査を進めていくと、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で圧倒的な実力を誇った裏社会の男・東明重慶(渡辺謙)の存在が浮上する。やがて、謎に包まれていた桂介の生い立ちが明らかになる・・・ |
【感想】
予告で、サザンの歌が強烈に心に響く映像だったので、公開を楽しみに待っていた映画でした。家族は興味無さそうだったので、ひとりで観てきました。
豪華実力派俳優を揃えた映画ということで、重厚感のある映画でした。不幸な生い立ちの中で、必死に自分の才能を生かして生きようとする人間に対する逃れられない理不尽さに心が痛む内容でした。そんな境遇の主人公・上条圭介を優しく見守り、将棋の才能を花咲かす役割を担った唐沢夫婦(小日向文世/木村多江)の行動には心打たれましたし、唐沢光一郎が亡くなる前に圭介に希少な将棋の駒を渡すシーンは感動的でした。最初から最後まで話はテンポよく進み、飽きることなく楽しめる映画でした。
しかし、気になるところもいくつかありました。フライヤーには「あふれる涙が止まらない」と書かれていますが、涙はまったく出ませんでした。唯一そういうシーンは、前述した圭介と唐沢光一郎の病室シーンだけでしたが、そこでも泣けるという感じではありませんでした。金をせびる父親(音尾琢真)を殺さざるを得ない圭介の心境は理解できるものの、それを東明に託してしまったところが圭介の葛藤や苦しさを感じ難くしてしまっていると思いましたし、最後に東明に頼まれて東明を殺してしまう展開も理解できませんでした。東明が圭介に「生きろ」と言うのであれば、そんなことをさせずに自然に病死を選ぶべきだと思うわけです。なので、ラストシーンで圭介の前に石破たち警察の手が及んできた時に、自殺の家系の血が流れる圭介が自殺を一瞬考えるも、東明の「生きろ」という言葉で石破たちの方に歩き出すというところも、なんかモヤモヤ感を感じてしまいました。
向日葵との関係もわかり難かったように思いました。母との思い出であり母の姿を追う象徴の向日葵畑なのでしょうが、東大を卒業してエリート社員として働いていた圭介が、その向日葵に対する思いで仕事を捨てて将棋もせずに農場で静かに働いていたという設定も無理があるように思ってしまいました。
予告であんなに感動的に聴こえてきたサザンの主題歌も、作品内では効果的に使われず、クレジットで流されても予告のような感動を感じなかったのは残念でした。
それと、将棋のシーンで気になったのは、盤上に大きな音を立てて駒を打っていたこと。私は「駒は静かに置く」と教えられていましたので、プロさえもパチン、パチンと大きな音をたてて駒を強く盤に打ちつける仕草は、アマチュアの軽い将棋にしか見えませんでした。音はたててももう少し気品のあるさし方をしてこそ、将棋の勝負の重さをより表現できただろうと思いました。
配役も良かったし、圭介のせつない生い立ちを描くというのも悪くはないのですが、将棋の群を抜く才能があり、東大にはいり高給取りのエリート社員となるまでの環境を得たのであれば、あんな父親くらいなんとでもあしらうことができたはずだし、東明なんかに依存しなくても・・・と思ってしまう映画でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
|
|