2024年12月13日(金)開始 2024年12月21日(土)読了
作品情報
タイトル 眼球堂の殺人 〜The Book〜
著者 周木律
シリーズ 堂シリーズ
初刊出版社 講談社
レーベル 講談社ノベルス
初刊発行日 2013年4月4日
書籍情報
出版社 講談社
レーベル 講談社文庫 し-111-1
判型/ページ数 文庫判/576ページ
初版発行日 2016年9月15日
版数 第17刷
発行日 2016年9月15日
定価(本体) 980円
購入日 2024年11月19日
周木律の堂シリーズ第1作です。友人に面白いと教えてもらったので、読んでみました。

放浪の数学者・十和田只人とジャーナリスト・陸奥藍子が、天才建築家・驫木煬の邸宅「眼球堂」に招かれて訪れるとことから物語は始まります。邸宅に招かれたのは各界の天才と言われた4人の学者と、十和田、藍子、建築雑誌の7人。それに主人の驫木と使用人との9人が登場人物のすべてとなります。その邸宅で、一日目の夜に主人である轟が死に、二日目の夜に学者2人が死に、三日目の夜に残された学者2名が死にます。その解明を十和田とアシスタント役の藍子が行うというストーリーです。

350ページを超える長編なので、一気に読み進めるのは難しいですが、場所が眼球堂だけであることと、時間の流れが明確なので話がややこしくなることはありません。時折、理解できない数学的な会話が入りますが、それを適当に流せば読みやすくて引き込まれる面白い作品でした。物語は藍子を中心に客観的に展開されます。読みながら犯人を自分なりに想像するのですが、藍子の「真実」という言葉に続く文章が意味深なのと、たまに不思議な心の動きが表現されているので、犯人は藍子ではないかと思いながら読み進めるのですが、藍子が犯人ならばどうしても説明できないことも多く、断定するまでにはいきません。そして最後は、眼球堂の仕掛けにによって、すべて驫木の犯行だったということが理論的に明らかにされて物語は終わり、藍子に対する違和感は逆の意味でのひっかけだったのかと騙された感を感じます。しかし、実は読者(私)が読んでいたこの物語は、事件が起きていた時のリアルな描写ではなくて、事件後に藍子が書いたノンフィクション小説だったということで、やられたという驚きと二度目の騙された感を感じます。そして、その小説について十和田と藍子が話をするという場面で、すべての真実が明かされてるという、そういう面白い構成でした。

読者が読んでいたものが小説の中の小説だったということと、読んで想像していた犯人の可能性をいったん潰しておいて、最後にやっぱりそうだったのかと思わせる、二重、三重に騙された感のある小説でとても感心させられました。これ以降の堂シリーズも読んでみたくなりました。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。